ソーシャルレンディングの事業者には様々な規模の企業が存在します。大手企業のグループ会社が運営する事業者や、大手企業から出資を受けている事業者は、経営破綻して倒産する可能性が低くそれだけで安心感に繋がります。
今回はソーシャルレンディングを大手事業者で始めるメリット、大手事業者をはじめとするおすすめ事業者5選をご紹介します。これからソーシャルレンディングを始めようと考えている方は、ぜひ事業者選びの参考にしてみてください。
ソーシャルレンディングを大手事業者で始めるメリット
ソーシャルレンディングを大手事業者で始める最大のメリットは安定感・信頼感だと言えます。事業者の規模だけで全てを決めつけることはできませんが、大手事業者は経営状況が良好だったり、ソーシャルレンディング事業以外にも収益源があったりする場合が多いです。
ソーシャルレンディングにおいては、貸付先企業やサービス提供事業者の倒産・経営破綻リスクが非常に大きいため、できる限り安定感・信頼感がある事業者で投資をしたいと考えるのは当然のことでしょう。
また、大手事業者は自己資金だけでなく、自社と同じ規模かそれ以上の規模の大手企業から出資を受けているケースもあります。伊藤忠商事からの出資を受けているクラウドクレジットなどが良い例です。
大手企業の資本が入っているということは、それだけ企業やサービスに対しての将来性・信頼性が高い証拠だと言えます。詐欺まがいの手口で投資家からお金を集めて、計画的に倒産してなかったことにしてしまうという事態に巻き込まれる確率も低いはずです。
大手ソーシャルレンディング事業者だからと言って絶対に安心はできない
一方で、大手事業者であれば絶対に安心かと言われればそうではないため注意が必要です。後述しますが、業界最大手のmaneoで募集されていた案件では、貸し倒れや返済遅延が起きたことがあります。
事業者が大手企業であるかどうかは利用する事業者を決める際に非常に重要なポイントになりますが、大手事業者を利用する場合でもリスクがあることは理解しておきましょう。
おすすめの大手ソーシャルレンディング事業者5選
以下では特におすすめできる大手ソーシャルレンディング事業者(大手企業から出資を受けている事業者を含む)をご紹介します。事業者選びに困った際は以下の事業者で口座解説しておくことをおすすめします。
SBIソーシャルレンディング
- 大手金融グループのSBIグループが運営している
- 業界の中でトップクラスの実績がある
- 住信SBIネット銀行からだと手数料が無料になる
SBIソーシャルレンディングは保険、証券、銀行など幅広く金融系の事業を手がけるSBIグループが運営するソーシャルレンディングサービスです。業界最大手のmaneoに続く実績を誇っており、2019年11月時点で累計融資実績は1,150億円を突破しており、登録者数は40,872人を超えており、まさに大企業が運営するソーシャルレンディング事業者と言えます。
案件は不動産担保ローン案件と海外ファイナンスローン案件が中心で、利回りは2.5〜10.0%と案件によって差があります。不動産担保付きの案件で利回りが6.0%といった案件もありますので、案件の利回りはいい方だと言えるでしょう。
また、SBIソーシャルレンディング最大の特徴は、住信SBIネット銀行の場合に投資金の入金手数料と出金手数料が無料になるシステムです。入出金手数料は投資家にとって常に悩みのタネとなりますので、これらが無料になるだけでもSBIソーシャルレンディングと住信SBIネット銀行を使う理由になります。
OwnersBook
- マザーズ上場企業が運営している
- 不動産案件に特化している
- 全案件に不動産担保が設定されている
OwnersBook(オーナーズブック)はマザーズ上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営しているソーシャルレンディングサービスで、不動産案件のみを扱っており、全案件に不動産担保が設定されているのが最大の特徴です。2019年11月現在はOwnersBookの貸し倒れ情報は確認できなかったため、元本回収率は100%と考えることができます。
SBIソーシャルレンディングに引けを取らない規模の大手ソーシャルレンディング事業だと言えるでしょう。
クラウドバンクと同様に非常に安定的な運用がされており、信頼性の高いソーシャルレンディング会社だと言えます。ただし、案件の平均利回りは4.0〜5.0%程度なため、他のソーシャルレンディング会社と比較すると若干低い利回りです。それでも、全案件に不動産担保が設定されており、運営会社の信頼性も高いことを考えれば、十分投資をする価値がある会社だと言えます。
クラウドクレジット
- 伊藤忠商事をはじめとした大手企業が出資している
- 利回りが10%を超える”高利回り案件”が多数ある
- 海外通貨建てで投資できる案件がある
クラウドクレジットは伊藤忠商事を筆頭に、第一生命保険、ソニーフィナンシャルベンチャーズなど大手企業からの出資を受けているソーシャルレンディング事業者です。
クラウドクレジット自体の規模はSBIグループやロードスターキャピタルと比較すると小規模ですが、大手企業からの出資を受けていることは安心感・信頼感に繋がるポイントだと言えます。
海外新興国への投資案件を扱っており、海外通貨建てで投資をできるのが特徴です。投資先の企業がある地域は東南アジア、中東、アフリカ、南米など多岐にわたっています。投資した資金は社会的な課題解決やインフラ整備のために使われることが多く、社会貢献(社会インパクト)に繋がる投資ができます。
クラウドクレジットには利回りが14.5%を超えるような高利回りの案件がたくさんあります。一方で、これまでに元本割れした案件が2019年11月時点で32件あると公式に発表されていることから、ハイリスク・ハイリターンな案件であることも事実です。
また、クラウドクレジットは投資先企業の”匿名化解除”を積極的に行っており、2019年7月から複数の案件で投資先企業の情報を公開しています。さらに、ハイリスクな案件が多いものの、リスク対策の具体的な方法やリスクへの考え方をしっかりと発信しており、誠実な運営をしているソーシャルレンディング会社です。
クラウドバンク
- 元本回収率100%*(元本割れなし)
- 実績平均利回り6.99%*
- 応募総額702億円*以上
*上記数字は公式発表されている数字です
*上記数字は2019年11月時点の数字です
クラウドバンクは日本クラウド証券株式会社が運営しているソーシャルレンディングサービスで、これまでに元本割れした案件がなく、元本回収率が100%なのが絶対的な強みと言えます。元本回収率が100%ということは、クラウドバンクで投資をして損をした投資家がいないということです。
SBIグループやロードスターキャピタル比較すると規模は小さく、大手企業の資本が入っているわけでもありませんが、ソーシャルレンディング事業者の中でも随一の安定感を誇っていると言えます。
さらに、平均利回りが実績ベースで6.99%と高水準なのも嬉しいポイントで、安定的に運用して確実に資金を増やしたいと考えている方におすすめのソーシャルレンディング会社です。応募総額702億円以上という実績もソーシャルレンディング業界ではmaneoやSBIソーシャルレンディングに続く上位の実績となります。
Funds
- これまでになかった「貸付ファンド案件」
- 投資家の支払う手数料が無料
- 全案件で投資先企業を公開
Fundsは2019年にスタートした新しいソーシャルレンディングサービス、運営会社はソーシャルレンディングの情報を発信するZuu fundingを展開する株式会社クラウドポートです。他のソーシャルレンディング会社とは異なる経緯と性質を持ったサービスと言えます。
株式会社クラウドポート自体はどちらかと言えば新興ベンチャー企業の部類ですが、大手金融機関や監査法人で勤務経験のあるメンバーが揃っており、メンバーの顔ぶれだけみれば大手企業顔負けのレベルだと言えます。
案件は全て貸付ファンド案件で、投資先の企業は貸付事業を行っている企業のみとなっています。また、Fundsでは全案件で投資先企業の情報が公開されており、ソーシャルレンディング業界の中では全ての投資先企業の詳細が公開されているのはFUndsだけです。
また、投資家は投資金の振込手数料以外に手数料を支払う必要がなく、他のソーシャルレンディング会社では当たり前のように取られている営業者報酬(管理手数料)や出金手数料がかからないのは非常に大きな特徴と言えます。現在のところ案件の利回りは1.5%〜6.0%と、他のソーシャルレンディング会社と比較して利回りが低いと言えますが、手数料がないため実質的にはいい勝負かもしれません。
番外編:【CRE Funding】人気・注目度急上昇中のソーシャルレンディング
東証一部上場のCREグループが運用する、安定性の高い物流不動産ファンドです。
物流施設の投資機会を創出し、物流インフラの成長を支えるというミッションで運営されており、オンリーワンのソーシャルレンディングサービスと言えます。
CREグループ全体では以下のような実績を誇っており、安定性は折り紙付きです。
- J-REIT資産総額(取得価格合計):約736億円
- 私募ファンド運用資産総額(AUM):約836億円
- 物流施設・商業施設管理棟数:1,577棟
- 物流施設・商業施設管理面積:約470万㎡
- マスターリース稼働率:98.6%
大手ソーシャルレンディング事業者への投資でもリスク対策を忘れずに
上述した通り、大手のソーシャルレンディング事業者で投資をする場合でも絶対に安心とは言い切れません。どれほど大きな事業者で投資をしていても、貸付先企業が倒産してしまうケースなどが考えられるからです。
ソーシャルレンディングにおいて重要なのはリスク対策をして万が一の場合のダメージを軽減することです。ソーシャルレンディングで投資をする以上はリスクを0にすることはできませんが、極力ダメージを少なくする方法はあります。
リスク対策としてもっとも有効なのは”分散投資”をすることです。分散投資は1つの案件に全額投資をするのではなく、投資する案件をあえてバラバラにして、いずれかの案件でデフォルト(元本割れ)が起こったとしてもトータルでプラスにすることを目指します。
分散投資で重要なのは確実に投資する案件をバラバラにすることで、分散投資ができていると思っていたのに実際は全て同じ貸付先の案件だったというケースもありえるため注意しましょう。
貸付先をバラバラにする場合は、案件のジャンル・業界から変えてしまうのが有効です。さらに言えば、利用する事業者自体をバラバラにしてしまうという方法もあります。
業界最大手事業者なのにmaneoがおすすめできない理由
ソーシャルレンディング業界で最大手企業といえば「maneo」でしょう。日本で初めてソーシャルレンディングサービスを開始した企業であり、会員登録数や累計融資金額は業界トップです。
maneoはソーシャルレンディングサービスのプラットフォームを提供しており、maneoのサイト上で様々な事業者の案件に投資をすることが可能という特徴があります。
しかし、maneoは大手企業ではあるものの、おすすめできる事業者とは言えないのが現状だと言えます。理由としては、maneoの提供するプラットフォームで募集されている案件で度々返済遅延や貸し倒れが起こっており、2019年11月現在では集団訴訟に発展しているからです。
返済遅延や貸し倒れが起こっているのはmaneoが直接募集している案件ではなく、maneoが提供するプラットフォームを利用して他の事業者が募集をした案件ではありますが、maneo側にも管理責任があるとして提訴されています。
業界最大手のmaneoが選択肢から消えると、時点で業界No2と言われているSBIソーシャルレンディングが実質的な最大手企業と言うこともできます。
信頼できる大手事業者でソーシャルレンディングを始めよう
ソーシャルレンディングをこれから始める方は、今回ご紹介したおすすめの大事業者や、大手企業から出資を受けている企業の口座開設からしてみてはいかがでしょうか。
ただし、大手事業者だからと言ってリスクがないわけではありませんので、分散投資でリスクを軽減することを忘れずに投資をしてください。