ソーシャルレンディングで失敗を防ぎ損をしないようにするためには、事業者選びとリスク対策(分散投資)が非常に重要です。年間を通して収支を安定してプラスにしたいと考えるならば、闇雲に事業者を選び、なんとなく案件に投資するのは避けましょう。
今回はソーシャルレンディングで失敗する原因や失敗例を紹介し、失敗を防ぐための具体的な方法をご紹介します。ソーシャルレンディングで着実に資産運用(投資)をしていきたいと考える方はぜひ参考にしてみてください。
ソーシャルレンディングで失敗する原因
ソーシャルレンディングで失敗する原因としてもっとも気をつけるべきは「事業者の選び方」です。詐欺まがいの事業者を利用しながら一生懸命リスク対策を頑張っても、失敗する確率は高くなってしまいます。
口コミ・評判などから、信頼できると考えられる事業者や、確かな実績がある事業者を選ぶことが重要です。
次に失敗する原因としてあげられるのが「案件の選び方」です。具体的には、利回りの高さだけで案件を選んでしまうと、結果的にリスクの高い案件ばかりに投資をすることになります。
利回りが高いということはそれだけリスクが高いと考える必要があり、特に利回りが10%を超える案件などは注意が必要です。
ソーシャルレンディングは案件に投資をした後は待つしかない仕組みのため、株式投資やFXとは異なり事業者や案件を選ぶ時点で勝負が決まってしまっていると言えます。
ソーシャルレンディングでよくある失敗例
ソーシャルレンディングで失敗する典型的なパターンを以下で3つご紹介します。上記でご紹介した事業者の選び方と案件の選び方に加えて、以下のような失敗例と同じ状況にならないよう気をつけてください。
一つの案件に大きく投資してしまった
一つの案件に大きく投資をしてしまうと、返済遅延やデフォルト(貸し倒れ)が起こった場合の損失が大きくなります。例えば、100万円の資金を持っていた場合に100万円を1件に投資して万が一のことがあると、資金を全額失ってしまうといった状況です。
特に利回りが高い案件を見つけると一つの案件に大きく投資をしてしまう方が多いですが、利回りが高い案件だとしても焦って全額投資などしないよう気をつけましょう。ソーシャルレンディングで失敗しないためにはコツコツと着実に利益をあげるのが得策です。
長期間の案件ばかりに投資してしまった
ソーシャルレンディングは一度案件に投資をしたら満期を迎えるまで資金を引き出すことができません。つまり、投資期間が長い案件はそれだけ資金を拘束される時間が長いのです。
上記と同じく、利回りにばかり気をとらて投資期間を見ずに投資をしてしまった結果、36ヶ月間も資金を動かすことができないといった事態もありえますので十分注意してください。
はじめのうちは長くとも12ヶ月程度の案件からチャレンジしていくのがおすすめです。利回りと同様に、投資期間も長ければ長いほど不測の事態が起こる可能性が上がるためリスクが高くなると考えましょう。
海外通貨建てで為替の影響によって損をしてしまった
クラウドクレジットなど特定のソーシャルレンディング事業者で可能な海外通貨での投資は、投資をしたときのレートと資金が手元に戻ってくるときのレートの差(為替差)によっては大きく損をしてしまうことがあります。
例えば、利回り10%の案件が無事に償還(資金が手元に戻ってくること)されても、為替のレートが変動して30%損をしてしまったら、結果的に20%損をしたことになります。
為替は案件が終了して償還される際のレートを予想する必要があるため、初心者ではなかなか難しい場合が多いです。はじめのうちは日本円での投資に絞ってチャレンジしてみてください。
ソーシャルレンディングの失敗を防ぐ方法
ソーシャルレンディングの失敗が仮にトータルでマイナスになってしまうことだとした場合に、失敗を防ぎ少しずつだとしても着実にプラスにしていくためのポイントを以下でご紹介します。
とにかく意識するべきなのは大きくギャンブルのような投資方法は避け、可能な限りリスクを軽減し、万が一デフォルト(貸し倒れ)する案件が出てきても全体でプラスにできるような投資をすることです。
信頼できる事業者・案件を選び
上記でも述べたように、ソーシャルレンディングの失敗を回避するためにもっとも重要なのは信頼できる事業者・案件を選ぶことです。特に重要なのは事業者選定のため、以下のようなポイントに気をつけることをおすすめします。
- 過去に返済遅延や貸し倒れ(デフォルト)が起きた案件はないか
- 運営会社の財務状況はどうか(赤字か黒字か)
- どのような企業が運営会社に出資しているか
- 投資家にきちんとリスクを説明しているか
中でも特に重視すべきは1と2です。運営会社の経営状況が健全な状態で、過去に返済遅延や貸し倒れの案件がなければ信頼性が高い事業者だと言えます。逆に、赤字決算が続いている事業者や返済遅延や貸し倒れ(デフォルト)が起きたことがある事業者は注意が必要です。
また、事業者の信頼性を判断する上でどのような企業が出資しているかは一つの目安になります。クラウドクレジットは伊藤忠が出資していることで有名です。
分散投資でリスク対策をする
どんなに信頼できる事業者や案件に投資をしても、万が一の場合に備えることは大切です。複数の事業者や案件に分けて投資することを「分散投資」と呼び、ソーシャルレンディングでは分散投資がリスク対策のもっとも基本的な方法と言えます。
分散投資をしておけば万が一返済遅延やデフォルト(貸し倒れ)が起こったとしてもダメージを最小限に抑えることができます。ただし、注意しなくてはいけないのが分散投資をしたはずが、フタを開けてみたら同じ企業に投資をしていた場合です。
ソーシャルレンディングでは投資先企業が匿名化されていることが多く、具体的にどの企業に投資をする案件なのかが公開されていないため上記のような事態が起こります。回避するためには、事業者をそもそも分けてしまう、全く違う業種の案件に投資をするなどが有効です。
せっかく分散投資でリスク対策をしたのにできていなかった場合がもっとも残念な状態なため、分散投資をする際は投資先の企業がバラけるように意識しましょう。
ソーシャルレンディングで失敗しないためのおすすめ事業者
ソーシャルレンディングで信頼性が高いと言える優良事業者を以下で3社ご紹介します。これからソーシャルレンディングを始めようと考えている方は参考にしてみください。
クラウドバンク
- 融資元本回収率100%
- 実績平均利回り6.99%
- 証券会社が運営
まずはじめにおすすめしたいのが、日本クラウド証券株式会社が運営するクラウドバンクです。公式サイトで実績を公開しており、2019年8月時点で応募総額611億円突破、実績平均利回り6.99%、融資元本回収率100%の超優良事業者と言えます。
特に注目したいのは融資元本回収率100%の部分で、少なくともこれまでに貸し倒れ(デフォルト)などで元本が目減りしたことがなく、クラウドバンクの案件に投資をして損をした投資家はいないことになります。案件の安定性、運営企業の信頼性については折り紙つきのサービスです。
また、実績平均利回りが6.99%なのも要チェックポイントです。10%を超えるような高利回りとまではいきませんが、業界の平均利回りが5%程度と言われているソーシャルレンディングにおいて、7%に迫る利回りは業界水準としても高いレベルと言えます。
OwnersBook
- マザーズ上場企業が運営
- 全案件に不動産担保付き
- 利回りが14.0%以上の案件あり
次におすすめしたいのが、マザーズ上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営するOwnersBook(オーナーズブック)です。運営元がマザーズ上場企業なので、運営企業の信頼性が他のサービスと比較しても高いと言えます。
OwnersBookの案件は全てが不動産関連案件となっており、さらに全案件に不動産担保が設定されています。担保が設定されているからといって絶対に損をしないわけではありませんが、無担保の案件と比較するとリスクが低くなるのは間違いありません。
また、OwnersBookの案件には利回り4.0%前後の案件が多いですが、中には14.0%を超える高利回り案件も存在します。案件の安定性、運営企業の信頼性もさることながら、高利回り案件へのチャレンジングな投資もできるのはおすすめできるポイントです。
SBIソーシャルレンディング
- 一部上場企業のグループ会社が運営
- 業界最大クラスの実績
- 住信SBIネット銀行利用で手数料優待
最後におすすめしたいのは、大手金融グループのSBIグループが運営するSBIソーシャルレンディングです。SBIグループの大元であるSBIホールディングスは東証一部上場企業のため、運営元企業の信頼性は抜群に高いと言えます。
また、2019年7月末時点で累計融資実績1,000億円以上、登録完了者数37,000人以上といった数字が公式サイトで発表されており、実績も業界最大級と言えるソーシャルレンディングサービスです。
同じくSBIグループのネットバンクである住信SBIネット銀行からであれば、投資金の入出金手数料が無料になるといったSBIグループ独自のメリットも見逃せないポイントです。
一方で、上記2社と比較して注意しなければならない点が、過去にデフォルト(貸し倒れ)した案件があり、1億8,000万円以上の元本割れが発生していることです。実績としてマイナスの面についてもきちんと公開している点は評価できますが、注意が必要なのは間違いありません。
ソーシャルレンディングで失敗しないための方法を知っておこう
ソーシャルレンディングは金融商品(投資)であるため損をする(失敗する)可能性を0にすることはできません。しかし、事業者選びや案件選び、リスク対策をきちんとすることで失敗する可能性を減らすことは可能です。
着実にソーシャルレンディングで利益を出すために、今回ご紹介したような失敗例を事前に知っておきましょう。