ソーシャルレンディングは貸し倒れ(デフォルト)によって投資したお金を失うリスクがあるものの、信頼性の高い事業者を選ぶことで貸し倒れの可能性を減らし、分散投資をすることで貸し倒れが発生した際の被害を最小限に抑えることが可能です。
今回は、貸し倒れを回避できる可能性が高い事業者の選び方と、貸し倒れが発生した際のリスクを最小限に抑える分散投資についてご紹介します。少しの工夫でリスクを回避したり、減らしたりできるため、ぜひ参考にしてみてください。
ソーシャルレンディングの貸し倒れとは?
ソーシャルレンディングの貸し倒れ(デフォルト)とは、何らかの理由で企業が借りたお金を返済できなくなり、投資家が貸したお金を回収できない状態のことです。貸し倒れが発生すると投資したお金の一部または全額を失うことになります。
また、貸し倒れの手前で返済遅延(返済が遅れる状況)が発生する可能性が高く、返済遅延の状態が続き最終的に貸し倒れになるパターンが多く見受けられます。返済遅延にしても貸し倒れにしても、発生してしまってからでは案件のキャンセルや途中解約ができないため、身動きがとれなくなってしまうので注意が必要です。
ソーシャルレンディングで貸し倒れを防ぐには?
残念ながら、ソーシャルレンディングで投資をする上で貸し倒れを100%防ぐ手段はありません。なぜなら、ソーシャルレンディングはそもそも元本保証(貸したお金が必ず戻ってくる仕組み)がなく、金融商品・投資としての側面があるからです。
一方で、事業者(サービス)や案件の選び方によっては、貸し倒れの被害にあう確率を減らすことは可能です。具体的には、これまでに貸し倒れが発生していない事業者を選ぶこと、担保が設定されている案件を選ぶことがポイントになります。
これまでに貸し倒れが起きていない事業者は、融資をする企業の選定や審査に力を入れていると考えることができ、貸し倒れが発生している事業者よりも信頼度が高くなります。また、担保が設定されている案件であれば、融資先の企業が返済不能になった場合でも担保を売却することでお金を回収することが可能です。
ただし、これまでに貸し倒れが発生していない事業者だとしても、今後貸し倒れが発生する可能性はありますし、担保が設定されていても損失が出る可能性はあるため過信は禁物です。
貸し倒れリスクが少ないおすすめのソーシャルレンディング事業者
ソーシャルレンディング事業者の中にはこれまでに貸し倒れが発生していない(事故情報が見当たらない)事業者があります。以下でご紹介する事業者はその中でも特におすすめの事業者です。
できる限りリスクを軽減してソーシャルレンディングで投資をしたいと考える方はぜひ参考にしてみてください。
クラウドバンク
- 融資元本回収率100%
- 実績平均利回り6.99%
- 証券会社が運営
数あるソーシャルレンディング事業者の中で圧倒的な安定感を誇るのが、日本クラウド証券株式会社が運営するクラウドバンクです。公式サイトで実績を公開しており、2019年8月時点で応募総額611億円突破、実績平均利回り6.99%、融資元本回収率100%の超優良事業者と言えます。
特に注目したいのは融資元本回収率100%の部分で、少なくともこれまでに貸し倒れ(デフォルト)などで元本が目減りしたことがなく、クラウドバンクの案件に投資をして損をした投資家はいないことになります。案件の安定性、運営企業の信頼性については折り紙つきのサービスです。
また、実績平均利回りが6.99%なのも要チェックポイントです。10%を超えるような高利回りとまではいきませんが、業界の平均利回りが5%程度と言われているソーシャルレンディングにおいて、7%に迫る利回りは業界水準としても高いレベルと言えます。
OwnersBook
- マザーズ上場企業が運営
- 全案件に不動産担保付き
- 利回りが14.0%以上の案件あり
マザーズ上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営するOwnersBook(オーナーズブック)は現在のところ貸し倒れの経歴が見当たらない優良事業者です。運営元がマザーズ上場企業なので、運営企業の信頼性が他のサービスと比較しても高いと言えます。
OwnersBookの案件は全てが不動産関連案件となっており、さらに全案件に不動産担保が設定されています。担保が設定されているからといって絶対に損をしないわけではありませんが、無担保の案件と比較するとリスクが低くなるのは間違いありません。
また、OwnersBookの案件には利回り4.0%前後の案件が多いですが、中には14.0%を超える高利回り案件も存在します。案件の安定性、運営企業の信頼性もさることながら、高利回り案件へのチャレンジングな投資もできるのはおすすめできるポイントです。
貸し倒れ・返済遅延履歴のあるソーシャルレンディング事業者
上記でご紹介した貸し倒れ履歴のない優良企業とは反対に、これまでに貸し倒れや返済遅延が発生しており、投資家が被害にあっている事業者もあります。以下はその中でも特に注意が必要な事業者の一覧です。
- みんなのクレジット:貸し倒れ
- ラッキーバンク:貸し倒れ
- グリーンインフラレンディング(maneo):返済遅延
- クラウドリース(maneo):返済遅延
- キャッシュフローファイナンス(maneo):返済遅延
- ガイファンデイング(maneo):返済遅延
- SBIフリーローンファンド(SBIソーシャルレンディング):貸し倒れ(現在停止)
- SBISL借換ローンファンド(SBIソーシャルレンディング):貸し倒れ(現在停止)
みんなのクレジットとラッキーバンクについては数十億円規模の貸し倒れが発生しており、投資家が大きな被害を被っています。 それ以外の事業者は貸し倒れではなく返済遅延状態ですが、業界最大手のmaneoが提供するシステム上で募集されていたため大きな問題となっています。
これらの事業者に共通して言えることは、利回りの高い案件や過剰なキャンペーンには要注意だということです。利回りの高い案件にはそれなりの理由があり、リスクが高いものだと考えておくようにしましょう。
ソーシャルレンディングは分散投資で貸し倒れのリスクを軽減しよう
上記でもご紹介したように、ソーシャルレンディングで貸し倒れを100%回避することはできません。できることは事業者や案件の選び方を工夫して、可能な限り貸し倒れのリスクを減らすことです。
一方で、貸し倒れを回避するだけでなく、万が一貸し倒れが起きた場合に備えてリスクを軽減することも重要だと言えます。リスクを軽減するのに効果的なのは「分散投資」を行うことです。
分散投資とは、1つの案件に100万円を投資するのではなく、10件に10万円ずつ分散して投資を行う手法です。分散投資をしておけば、万が一貸し倒れが発生しても被害を最小限に抑えることができます。
ただし、ソーシャルレンディングは融資先の企業が匿名化されているため、別々の案件に投資をしていたはずなのに融資先の企業が同じ場合があります。名称が似通っている案件は融資先の企業が同じ可能性がありますので注意してください。
確実に分散投資をするならば、複数の事業者の案件に分散させ、さらに案件の種類を分散させることをおすすめします。
ソーシャルレンディングでは貸し倒れ対策が重要
ソーシャルレンディングには貸し倒れの可能性がつきまとうため、事業者や案件の選び方を工夫し、さらに分散投資をしてリスクを軽減することが重要です。貸し倒れを100%防ぐことはできませんので、常に最悪の自体を想定しておくようにしましょう。
今回ご紹介した事業者は比較的信頼度が高いため、事業者選びの参考にしてみください。
貸し倒れリスクが少ないおすすめ事業者2社を比較
事業者名 | 利回り | 手数料 | 実績 | 事故情報 | 案件種類 |
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クラウドバンク | 6.99% | ・振込手数料 ・営業者報酬 |
応募総額:608億円突破 | – (融資元本回収率100%) |
・太陽光発電案件 ・中小企業支援案件など |
OwnersBook | 3.7〜14.6% | ・振込手数料 ・出金手数料 ・営業者報酬 |
– | – | 不動産投資クラウドファンディング案件 |