ソーシャルレンディングの利回りは事業者や案件によって大きく異なり、中には利回り10%超えの案件を扱っている事業者もいくつかあります。一方で、高利回り案件には相応のリスクがあるのも事実ですので、投資をする場合は注意が必要です。
今回は10%超えの高利回り案件を扱うおすすめ事業者や、ソーシャルレンディングの利回りと他の金融商品の利回り比較をご紹介します。リスクはあるもののチャレンジングな投資をしたいと考える方はぜひ参考にしてみてください。
高利回り案件を扱うおすすめソーシャルレンディング事業者3選
今回ご紹介する事業者は、利回りが10%を超える「高利回り案件」を扱っていながら、事故情報が少ない(ない)比較的”安定性・信頼性が高い”と言える事業者をピックアップしています。
高利回り案件はその分リスクが高くなるのが一般的で、デフォルト(貸し倒れ)や返済遅延の可能性があることも視野に入れる必要があります。一方で、高利回り案件だからといって絶対に事故に繋がるわけではなく、事業者・案件選びが非常に重要です。
OwnersBook
OwnersBookはマザーズ上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営するソーシャルレンディングサービスです。2019年8月時点では、公式サイトで確認できる案件の最高利回りは14.6%となっており、ソーシャルレンディング業界で屈指の高利回り案件を扱う事業者だと言えます。
さらに、案件は全て不動産関連案件で、利回りの高低に関わらず全案件に不動産担保がついているのが特徴です。担保が設定されていても手放しに安心はできませんが、無担保の案件よりも安定性が高いのは間違いありません。
また、現在までにOwnersBookの案件で貸し倒れ(デフォルト)が起きたといった事故情報は確認できないため、高利回り案件でありながら事故もない超優良ソーシャルレンディングサービスと言っても過言ではありません。
クラウドクレジット
クラウドクレジットは海外新興国への投資案件をメインに扱っており、ソーシャルレンディングでは珍しく海外通貨建ても可能な事業者です。利回りが高い案件が非常に豊富で、利回り10.0%以上の案件がいくつもあります。中には利回り13.0%超えの案件もあるぐらいです。
一方で、海外新興国への投資であるためリスクは高く、2018年8月時点でこれまでに30件のデフォルト(貸し倒れ)案件があると公表されています。ただし、公式サイトなどでソーシャルレンディングのリスクについて積極的に発信しており、きちんとリスクと向き合っている企業です。
また、リスクに向き合う一環として投資先企業の匿名化解除を積極的に推進しており、2019年7月から複数の案件で投資先企業の情報が公開されています。
SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは大手金融グループのSBIグループが運営するソーシャルレンディングサービスです。2018年8月時点で取引実績はmaneoに続き業界第2位で、累計融資実績は1,007億円以上、投資家の登録完了数は37,000人以上となっています。
- オーダーメード型ファンド
- 不動産担保ローン事業者ファンド
- カンボジア技能実習生支援ローンファンド
- 個人向け無担保ローンファンド
SBIソーシャルレンディングの案件は大きく分けて上記の4つに分かれますが、中でも高利回り案件として注目なのが「カンボジア技能実習生支援ローンファンド」です。こちらのファンドは全案件の利回りが10.0%で統一されています。
ただし、オーダーメード型ファンドでは、1億8,000万円を超えるデフォルト(貸し倒れ)が発生していることには注意が必要です。ちなみに、カンボジア技能実習生支援ローンファンドでは8,600円のデフォルトが発生しているのみなので、高利回り案件としてみれば安定感があると言えます。
ソーシャルレンディングの利回りは他の金融商品と比較して高い?
ソーシャルレンディングの利回りは他の金融商品と比較して高いのでしょうか。結論から言ってしまえば、ソーシャルレンディングの利回りは他の金融商品と比較しても高いと言えます。
また、利回りが高いだけでなく、同じ案件であれば初心者や専門知識がない方でもベテラン投資家と同じ結果が得られるメリットがあります。さらに、FXや株式投資のように日々の売り買いも発生しません。
金融商品と一口に言っても株式、FX、不動産、投資信託、REIT、ヘッジファンド、国債など様々な種類の商品がありますが、代表的な金融商品の利回りの参考値は以下のようになります。
*以下の参考値は弊社独自調べです。
利回り | |
---|---|
ソーシャルレンディング | 3.0〜14.0% 14.0%を超える案件もあり |
株式投資 | 2.0〜5.0% 信用取引が可能 |
FX | 0.5〜12.0% 信用取引(レバレッジ)が可能 |
投資信託 | 1.0〜15.0% 高いものは30%を超える案件もあり |
不動産投資 | 2.0〜10% 表面利回り、実質利回り、借入金返済後利回りなどの考え方あり |
REIT | 3.0〜7.0% 国内・海外で若干異なる |
ヘッジファンド | 1.0〜15.0% |
国債 | 0.05% 3年・5年の固定、10年の変動型などあり |
それぞれの商品で利回りの算出方法が異なり、商品・案件の特徴も違うため、ソーシャルレンディングとそれ以外の金融商品の利回りを比較するのは難しい部分もあります。また、FXや株式は自分の手持ち資金の数倍の取引が可能になる「信用取引」も可能です。
しかし、1つだけハッキリしていることは、利回りが10%を超える案件は他の投資商品でもそう多くないということです。中には30%、40%といった利回りの案件を扱っている金融商品もありますが、非常にハイリスクな案件だと言えます。
ソーシャルレンディングはきちんとした事業者や案件を選んだ上で投資をすれば、リスクとリターンのバランスが取れている投資商品だと言えるでしょう。
ソーシャルレンディングとはどんな投資?
そもそもソーシャルレンディングとはクラウドファンディングの一種で、「融資型(貸付型)クラウドファンディング」と呼ばれています。上記で紹介した他の金融商品の中では最も新しい金融商品です。
お金を借りたい企業(借り手)とお金を貸したい個人(貸し手)をインターネット上でマッチングさせる仕組みで、貸し手は月々の分配金で利益を得ることができる投資として側面を持ちます。
ソーシャルレンディングの3つのメリット
ソーシャルレンディングには以下の3つのメリットがあります。他の金融商品と比較しても利回りが高めであることに加えて、以下のようなメリットがあるため、投資初心者の方でもチャレンジしやすい商品です。
- 最低1万円から投資ができる
- 案件に投資をしたら放置でOK
- 初心者でも大丈夫(専門知識がいらない)
最低投資金額が低く、日々の値動きなどにあわせた売り買いが必要なく、初心者でもOKなため、投資として始めるハードルが低いことがわかります。
ソーシャルレンディングの3つのデメリット
上記のようなメリットがある一方で、ソーシャルレンディングならではのデメリット・リスクと言える点もあります。具体的には以下のような点がソーシャルレンディングのデメリットです。
- 一度投資をしたらキャンセル・解約ができない
- 返済遅延が発生すると身動きがとれなくなる
- 投資先の企業が倒産するなどして損をする可能性がある
ソーシャルレンディングは放置でOKといったメリットがある代わりに、投資期間が比較的長い投資商品であることがデメリットです。特に、返済遅延状態で案件が保留されてしまうと投資した金を動かすことができず、ただ寝かしておくことになってしまい、最終的にデフォルト(貸し倒れ)して元本を失う可能せもあります。
ソーシャルレンディングの利回りは他の金融商品と比較しても高い
今回ご紹介したように、ソーシャルレンディング他の金融商品と比較しても利回りは高く、さらに初心者でもはじめやすいといったメリットがあります。中には14.0%越すような高利回り案件もあるため、初心者の方でも大きく利益を出すことが可能な投資です。
しかし、一方でデメリットがあることも事実のため、実際に投資をする際には注意が必要です。等に高利回りの案件はそれだけリスクも高いと考える必要があります。無理のない資金で、無理のない投資を心だけましょう。
事業者名 | 利回り | 手数料 | 実績 | 事故情報 | 案件種類 |
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OwnersBook | 3.7〜14.6% | ・振込手数料 ・出金手数料 ・営業者報酬 |
– | – | 不動産投資クラウドファンディング案件 |
クラウドクレジット | 5.8〜12.0%、平均6.0% | ・振込手数料 ・出金手数料(月1回まで無料) ・営業報酬(運用手数料) |
累計出資金額:21,560,250(千円) | 元本割れした件数:30件 | 海外新興国案件 |
SBIソーシャルレンディング | 2.5〜10.0% | ・振込手数料 ・管理手数料 |
・登録者数37,674人 ・累計融資実績:約1,007億円 |
元本割れした金額:183,822,417円 | ・不動産バイヤーズ案件 ・不動産担保ローン案件 ・海外(カンボジア)案件 |